9月2日その4

パンダ苑に入る
パンダ苑には橋を渡って入る。その橋の手前にある数軒のお土産屋も、私が既にパンダのぬいぐるみを持って歩いているので、売り込みは諦めたらしい(笑)。殆ど声をかけてこなかった。橋の手前から入り口を見ると、真正面には『大熊猫苑』と書いた文字が見える。いよいよ中に入れると思うと、前の晩の大雨で増水している川の水の音さえも私の耳には入ってこなかった。目の前では67人の中国人観光客のグループが写真を撮っていた。自分勝手な考えだけれど、早く退かないかなぁと思って彼らを見ていた私だった。なるべくならば、誰も邪魔しない状態で写真を撮りたかったからだ。しかし、なかなか退きそうにもないし、後ろからも人が来たので諦めて写真を写した。


大熊猫(パンダ)苑の門は鉄製の柵だけ。中央は車用らしく閉まっていて、人間用はその脇の細い入り口から入るようになっていた。貴重な動物が居るわりには、簡単なセキュリティのような気がするけれど、人専用の入り口では、消毒薬を染み込ませたマットが敷いてあって、必ずそこで靴の底を押し付けて消毒してから入るように、と全さんから注意があった。確かに人間が持ってくるウィルスほど怖いものはないのかもしれない。門を潜ると、左へと道が折れていた。その両脇には笹がびっしりと生えていて、如何にもパンダの住処という感じが醸し出されていた。あたかもその笹の間からパンダが顔を出してきそうな…。

この橋を渡って入ります パンダが出てきそう パンダのおやつ

笹に囲まれた通路を通り抜けるとパッと目の前が開けて、広場のようになっていた。左手前方に建物が見えて、一部ガラス張りになっている。そこに人が数人集まっていたので、てっきりそこに赤ちゃんパンダでも居るのだろうかと思い、周りも見渡す間もなく、一気にそこへ進んで行った。しかし、ガラスの向こうにあったのは、包丁とフスマ(ふすまとは小麦粒の外皮の部分で小麦ブランとも言う)を固まらせたようなものが置いてあっただけ。これってもしかして、パンダの食べ物?って思って見ていたら、やはりそうだった。近くの壁に描かれているパンダの絵にも、そのおやつが描かれていた。後は定番の?リンゴなどが少々。

もし…私がその広場のところで右手に進んで行ったら、パンダのおやつを見た後、反対側を見たとしたらパンダの姿を目にしていたと思う。しかし、あの時の私は舞い上がっていて、いつもの冷静さを欠いていた。周りの状況が余りにも見えなさ過ぎたと思う。その証拠に帰り際には、行きに私が気がつかなかったところにパンダが居座っていたのだから。

最初のパンダ発見
さて、パンダを求めておやつを作る建物の脇を覗き込むと柵があって、その先が壕のようになっていた。ふとその中を見ると…パンダが歩いている〜!!それも段々こちらに寄って来ている!ともかく動いているパンダを見られたのだから、物凄くビックリしたのと興奮!(冷静に考えれば、パンダがどこに居てもおかしくないんですけどね)母に向かって「お母さん、パンダが歩いているよ!」(←これも当然なのですが・苦笑)凄い美人?(美パンダ?)なパンダに見えたけれど、「ようこそ!」と言って近づいて来たような錯覚に陥った。

そして、視線を木の上に転ずれば、そこにもパンダが!枝のまたのところに足を広げてつっかえにして、落ちないようにバランスを取って寝ているのである。その姿勢にはビックリ〜!落ちないのかしら?と他人事ながら心配したりも…。それにしても、なんて身近に見えるんだろう?ガラスの向こうではなくて、壕と柵があるけれど、ホンの数m先に居るなんて!


木の上で寝ているパンダの先にはまたコンクリートで出来ている建物。どうやら、建物はパンダが夜の間に眠る場所らしい。貴重な動物だから、夜間に万が一、盗難(って言うか誘拐?)のことがないようにしているようだ。その建物のところには中国人の観光客が3人ほどいて、手を叩いたり、大きな声で呼んだりしていた。見ると…彼らの視線の先(距離的には34m先)にはパンダが寝ていたのである。そのパンダを起こそうとして、騒いでいたらしい。可哀想に。。そのパンダは最初は仰向けになって頭をこちらの方にしていたけれど、急に起き出すと、まるで寝ぼけている人と同じように這うようにして、頭をその騒いでいる彼らから遠ざけて、お尻を向けて、うつ伏せで再び寝てしまった。「も〜!眠いんだから放っておいてよ〜!」と言わんばかりの行動(笑)。うつ伏せになっているので、後ろ足の裏までよ〜く見える。鋭いツメと肉球。そして何よりも可愛らしかったのは短いしっぽ。そして何故かそのしっぽに葉っぱが付いていて(笑)。寝ている姿を見ていると、まるで人間と同じような感じに見える。パンダは赤ちゃんを抱っこしたりする様子は人間と一緒ねって思ったけど、それ以外の行動もなんだか人間ぽくっておかしかった。

お昼寝中なんです も〜、うるさいなぁ〜 寝るから!放っておいて!

眠い子を起こしても可哀想なので(って言うか自分も同じ立場なら、起こされるのはイヤだし)、その先へ進んで行った。建物に面して柵のついた運動場らしいものがいくつかに仕切られていて、そこにパンダが1頭ずつ入れられていた。中には運動場に出てきていないパンダも居たけれど、積極的に出てきて歩き回っているパンダも居た。その運動場の柵からさらに1mほど離れて柵が設けられていて、私達見学者はそこから覗き込むように見るしか方法はない。運動場の柵と柵の間が広いのでパンダがそこから手を伸ばして、見学者にツメで怪我をさせないようにとの配慮で1mほど離れて柵が更に設けられているようだ。各運動場にはパンダの生年月日と名前、年間里親の人の名前も書いてあった。パンダ保護の資金獲得のための一案として年間里親制度というものがあるそうだ。日本人の名前もあったし、世界中に里親は居るようだった。

幾つか覗き込んだ檻のうち、とあるところでやたらに動き回っているパンダを発見。名前を見ると、メスで「毛毛(マオマオ)」と書いてあった。実はこの時は知らなかったのだけれど、この毛毛(マオマオ)は「となりのこぱんだ」というブログの初代主人公「網網(ワンワン)」の母親だったのである。帰国後に本を買って読んだので、改めてビックリ。そして私は何故かこのパンダだけは「毛毛(マオマオ)〜!」と何度も何度も名前を呼んだのだった。

彼女は、檻の中をぐるぐると歩き回っていて、ちょっと落ち着きがない感じだった。人が見ているからと言うわけではなくて、彼女自身の中で、何かが落ち着かない感じだった。数回目の前を行ったり来たりしていたかと思うと、今度は、いきなり腹筋運動?を始めたり…(笑)。またその姿が、なんともユーモラスで、可愛らしくて(^^)。腹筋運動が終わると、今度は私達の方に背を向けて、檻に寄りかかって座ってしまった。何度も名前を呼んでみたけれど、決してこちらを向こうとはしない。それでも、神経はこちらに向けているようで、耳だけはしっかりとこちらに向けて耳をそばだてていた(笑)。

運動不足にならないように、腹筋運動しなきゃ!美パンダであるためには必要なことよ?

パンダの生(な)る木!
全さんに促されて、その先へ向かうことにした。この先には、楽しみにしていた子パンダの幼稚園があると言うのだ。2005
年の夏は臥龍でもパンダのベビー・ラッシュで、過去最高の16頭が生まれた。そして、その子パンダ達は半年ほど経つと、親から離されて子パンダだけで共同生活をしていたのである。子パンダを親から離したのは、おそらく翌年も繁殖をさせるという目的があったのだろう。なんとなく可哀想な気もしないでもないけれど、パンダは元々、少子の動物でもあるので、少しでも頭数を増やすためには致し方ない方法だと思う。

事務所っぽい?建物が見えてきたなぁと思ったら…その先には「となりのこぱんだ」で見慣れていた景色が目に飛び込んできた。滑り台があって、高床になっているものがあって。そして…子パンダ達は…みんな寝ていた!のである。う〜〜ん、時間的にお昼を食べた後なので、お昼寝タイムと言えばそれまでだけれど…あっちで、ゴロン、こっちでもゴロン!って感じだった。でも、でも!寝ていてもそれでも可愛い〜!!広角で写したり、ズームにして写したりと、もう止まらないって感じ(笑)。

いつもこの景色、ネットで見ていたなぁ 寝ています ひたすら寝ています

子パンダ達は私達見学者の通る道を挟んで、2箇所に分けられていた。最初に見た道の左側に背を向けて、もう一方を見ると…「パンダが木に生っている〜!(注:実際に生っている訳ではありません、例えです)」そしてよく見ると1頭だけ、眠らずにゴソゴソ動いている子パンダ発見!人間の子供達でもみんながお昼寝をしているのに、静かに出来なくてゴソゴソしている子供がいるけれど、まさにそんな感じ(笑)。少し離れた樹上で眠っている子パンダを眺めていたかと思ったら、やおら動き出し…。予想のつかない動きをするので、ただ黙って見つめているだけの私と母。もちろん周りの観光客もそんな感じ。子パンダは地面から、1mほど高くなっている床の上に居たのだけれど、昇り降りし易いように、1段低くなっているところから降りずに、高いほうからいきなり後ろ向きで降りようとしていた。しか〜し!当然のことながら足が地面に着くわけもなく…。一旦は下を覗き込んだので、諦めたのかと思ったら、次の瞬間、そのままブラ〜〜ン!とぶら下がったのである!!ぶら下がっても、まだ足は地面には着かず宙ぶらりん。少しの間そのままの姿勢で頑張っていたけど、突然手(?イヤ、前足かぁ?)が外れて、コロンっと転がったのにはビックリ。でも、子パンダは、何事もなかったかのように、スタスタと歩き出している。見ているほうがドキドキ。子パンダは身体が柔らかいので怪我はしないみたい。

歩き出した子パンダは、先ほど見ていた、樹上で眠っている子のいる木の根元までやってきた。そして後ろ足で立ち上がると、上をじっと見ている。意を決したように今度は登り始める。不器用そうだけど、スルスルと猿が木に登るようには、いかないけれど、えっちらほっちらという感じで登り始めている。パンダの木の登り方は、幹を中心にして、グルグルと周りを周りながら登っていく方法だった。ネコが木に登るときのように、一直線で登る方法ではなかった。う〜ん、こういう点では、ネコではない感じかな?(笑)。それにしても、上には眠っている子がいるので、少なくてもその子がいる限りは上まで登れないんだけど、どうする気だろ?枝がないので、退かすのはまず不可能だし。樹上で眠っている子パンダも目を覚まして下を覗き込んでいる。まぁ、確かにもう一頭登ってきているのだから、振動も感じるし、揺れているので当然のことだろうけど。

これから木に登るぞ! よいしょ、よいしょ! ん?誰か来る? あふぅ〜!

上に居る子は、最初は起こされたばかりなので、ボ〜っとしていたけれど、そのうち大あくび。そして…動き始めた。幹を背にしていたのだけれど、体勢を入れ替えようとしている。もっと上に登る気でいるのかしら?カメラも連続撮影モードにしっ放しで、ファインダーから目が放せない状態。ファインダー越しにパンダを見ていると…え!あんなところで、足を入れ替えてるの?一瞬身体を支えていたのは腕の力のみ。いくら樹上で慣れているとはいえ、一応足元を確認しているパンダの子。入れ替え終わると、木の叉のところにキチンと挟まって座ってしまった。あれ〜?次はどうするんだろ?座り心地を直した(?)なぁと思っていたら、いきなりそのまま幹にも垂れかかって、再び爆睡に突入!!予想外の行動!子パンダは、睡魔には勝てなかったらしい(笑)

ボク、これから向きを変えるのさ。よっ!と。足を入れ替えたし、座り心地も良くしなきゃ。  それにしても……おやすみなさい…Zzz

でもって、下から睡眠妨害を企んでいた(?)子パンダは見事に無視されて、行く場所もなし。と言うことで、下に降りてくることに…。しかし…登る時よりも降りる時の方が、不器用で…(^^;。幹をズズズズっと滑り落ちるような感じで降りてきた。そして最後は根元の二又になったところまで降りてきて(って言うか落ちてきて)、私達人間の方に向かって、カメラ目線!ハイ!よく出来ました〜♪一応、ポーズも決まったので、本人(本パンダ)も気を良くしてか?こちらに向かって歩いてきた。私達のいるところと子パンダのいるエリアとの間には、パンダ側から見ると、壕があって、植込みがあって、そして柵(と言っても植込みと同じ高さで腿くらい)があるので、間違ってもこちら側に来ることは出来ない。それでも、壕のギリギリのところまで来るとホンの2〜3m先!にパンダがいることになるのである。その壕のギリギリのところまで来たらどうするのかなぁと思っていたら、子パンダは少しの間、壕を覗き込んでいた。……と思ったら……、ズ…ズズズズズズーと壕の中へ滑り落ちてしまった!表面の草は雨で湿っていたので、滑りやすかったのかもしれない。でも、それにしてもパンダの足の裏には、滑り止めの毛がびっしり生えているのだから、滑るとは考えにくいけど…。イヤ、そんなことよりも、滑り落ちてしまった子パンダは大丈夫なのかしら?と立っていた場所を移動して、壕の下が幾らか見えるところまで動いてみた。心配は無用だった。下には落ちた子パンダが、何事もなかったかのように歩いていたのだから。まぁ、きっとどこかに登れるところがあるのだろう。

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