「一緒に行くわ」
母の怪我から1ヶ月経った頃、私は一人で行く11月の旅行をしても大丈夫そうか母に尋ねました。怪我をして1ヶ月経った状況を見て、当初よりも遥かに動けるようになってきたので、2ヶ月先という時間を考えると、1週間程度私が居なくても何とかなるような感じだったのです。

すると母の返事は…「お母さんも一緒に行きたいのだけど…。あと2ヶ月あるので、無理をしなければ大丈夫だと思うの。階段とかは大変だから、沢山上り下りするところは無理だけど、平らなところだったら大丈夫だと思うのよ。コルセットもして行くし。それに…年を考えるともうそんなにヨーロッパとかは行けないと思うのよね。だからお前さえ良ければ、一緒に行って2年前に見れなかったところも見たいし。ただし、いつも言うように言葉は喋れないし、今回のことであまり動けないということだけは覚悟してもらいたいんだけど。」

驚きでした。あと2ヶ月あるからなんとかなると思わせるイタリアにはそれだけ魅力があるのでしょうかね?母の言い分を聞いて私は私なりにじっくり考え、母も一緒に連れて行くことにしました。

そして、ともすれば無理をしがちの日常生活において、この旅行を『無理をしない、させないためのニンジン』とすることにしました。何か無理をしそうなときは「旅行があるんだから、無理しないで。今は無理しないで少しでも良くなるほうが優先なんだから」と言って、行動をセーブさせました。更に、「今年はGWからずっと悪いことばかり続いていたんだから、(信者でもないくせに)キリスト教の総本山のヴァチカンに行って、厄払いでもして来ようね。サン・ピエトロ寺院には足を擦って悪いところを治してもらうように願う像がある(聖ペテロ像のことです)そうだから、それにお願いしてくればいいんじゃない?」と行くためには今は無理をしないという意識を植え付け続けていました。

手配を始める
お盆前に見積りのメールを旅行会社から貰っていたのですが、このようなアクシデントがあったのでそのまま放置していました。1ヶ月も経ってしまったけど、そのまま可能かどうか、恐る恐る申し込みをしてみたら、その問い合わせ番号は、まだ生きていました。

今回は、インターネットで手配をかけました。パック旅行ではないので、個別に手配をすると割高になるので、航空券とホテルのセットになっているフリープランを探したのです。

とりあえず今後、個人旅行を考えている方への何かのヒントになるかもしれませんので、今回の手配における私のこだわりのポイントを以下に上げていきますね。

まず、航空会社ですが、好き好きはありますが、アリタリアを希望。なぜアリタリアかと言うと、日系の飛行機よりもやや座席が広い感じがするんですよね。それと、エコノミー席でも機体後部にはフリードリンクのコーナーが設けられていること、イタリア人のキャビンアテンダントが殆どなので機内からイタリア気分に浸れること、日系会社の便と違って、完全な満席にする可能性が少ないこと(これは過去の経験からそう感じていた)、日系便は日本人が殆どなので遅れがちなこと等など、様々な理由があるのです。

どこの旅行会社もそうですが、方面によって得手不得手があるものなのです。こちらも色々と条件を出すものですから、どこまで相手の会社が対応出来るかがかなり重要になってきます。それによって、旅行会社が出来ない分は自分でなんとかするしか方法がないのですから。そして…イタリア好きの仲間の情報や過去の旅行の経験などで、日本から手配をかける場合は、イタリア方面に特に強い会社があることを掴んでいました。どこの旅行会社を通して依頼をかけても最終的には、とある会社を通していることが多いと思ったのです。ということで、依頼をかける旅行会社も決定。

次は滞在都市と日程などを決めなくてはなりません。

今回の旅の目的は、2年前の夏には予約が取れずに入らなかったフィレンツェのウフィツィ美術館に行くこと、同じく長蛇の列で入るのを諦めた(予約制ではない)、ヴェネツィアのサン・マルコ寺院の中に入ることがまず第1の目的で、それに今回はローマ滞在を追加したのです。フィレンツェもヴェネツィアもまだまだ見るべきところは沢山あるのですが、同じ街ばかり行くよりも、もう少し違うところにも行ってみたかったのです。特に母の年代は、オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」のイメージが強いローマには憧れというものがあったようです。更に美術好きには垂涎もののヴァチカン博物館もありますし…。

旅程を考える上で、どこの都市から(イタリアに)入るかを考えたのですが、やはり旅の最初に初めて訪れる街を入れ、やや強行軍になりがちな旅も後半からの既に知っている街でピンポイント的な観光をしながら、ゆっくりと散策しながらの方が良いと考え、ローマから入国するルートを決めました。

そうなると滞在都市は、ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアの3都市。まぁ、10日間ではこれがギリギリの日程だと思います。パック旅行では、10日もあれば12都市くらいは周るようですが、機能的ではありますが、かなりの強行軍だと思いますけどね。そして、それぞれの都市間の移動はユーロスターを使うことに。時間というものに対してとってもいい加減なイタリアでも、まぁそこそこにキチンと動く電車でもありますのでね(笑)。

インターネットでその旅行会社のホームページを見たところ、このメジャーな3都市を周るフリープランがすぐに見つかりました。幸いなことに、各都市間の移動のユーロスター(全席指定列車)もセットになっていました。おまけに、ローマではホテルまでの送迎、ヴェネツィアでもホテルから空港まで送迎も付いていました。この点はかなり気が楽でいいものだと思いましたね。で…このフリープランで早速決定。ただし、基本の日程では滞在日数が私達の希望よりも短いため、ローマで延泊を追加。更に、滞在ホテルも追加料金を出せば、希望が通るとのこと。それならば、訳のわからない不便なところのホテルを割り当てられるよりも、自分達が動きやすいような希望のホテルをリストの中から選び出すことにしました。

まず、フィレンツェのホテルは、2年前の夏に泊まったアトランティック・パレスに第1希望は決定。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅にほど近く歩いていくのも楽な上、お土産などを購入する中央市場も近い(その気になれば朝の市場も行ける)し、どんな感じのホテルか判っているからです。更にこのホテルはチェックインが24時間可能。ローマから早めにフィレンツェに入っても、荷物を自分達の部屋に入れておけるので安心だし、着替えや荷物の入れ替えも出来るので何かと便利なのです。

そしてヴェネツィアの第1希望は、前から泊まってみたかった、ビィラ・イゲア。ここはカナル・グランデ沿いにある4つ星ホテルの系列で設備もいいこと、噂では朝食は4つ星ホテルの食堂で取れるらしい、とのこと、サン・マルコ広場にも程近く、更に水上バス乗り場のすぐ近くであることなどが、希望の理由でした。

さて…肝心のローマですが、ここは私にとっても初の都市。まずはローマの地図を眺めることから始めました。そして、やっぱり次の都市へ移動することを考えて、ユーロスターの発着するテルミニ駅の近くを考えました。更に、テルミニ駅は、大きなバスターミナルがあって始発・終着のバスが多いこと(=行きも帰りも簡単)、タクシーを使うにしても、駅の近くならば乗り降りも楽であることも考慮に入れました。リストを見ると、該当地区のホテルは幾つかありました。そこで…今度はネットで、クチコミ検索をしてみました。様々なホテル予約のサイトから、該当するホテルを探し出し、そこに書いてある世界中の人からのコメントに目を通し始めました。やっぱり主要なポイントは、スタッフの対応、ホテルの設備と清潔さ、地区の治安などが大切になります。日本人のクチコミが多いのですが(母も私もあんまり日本人が多いところは好きじゃないんです)、とりあえずジオベルティに第1希望を決めました。

念のため、それぞれの都市で第1希望が取れなかった場合を考えて、第2希望までは検索して調べ上げて決めておきました。調べごとはまとめてしてしまったほうが楽ですからね。

次にセットになっているユーロスターの時間帯。電車の時間は好きな時間の希望を出せるので、これまたインターネットで時間を調べました。電車の時間次第では、その移動がある日を有効に使うことが出来るか否かがとても重要なポイントになりますからね。ローマ・フィレンツェ間は約1時間半、フィレンツェ・ヴェネツィア間は約3時間の所要時間と移動日くらいはせめて朝はゆっくりと考え、それぞれ10時台の電車をリクエストしました。

更に基本プランでは、2等席となっていたのを1等に格上げリクエスト。2等は初めてイタリアに行った際に乗ったのですが、ボックス席の向かいの人との距離が狭いのです。ちょっと体格のよい外人さんが座っていたら、膝が完全にぶつかってしまう感じなのです。座席も通路を挟んで2列ずつが2等車なのですが、1等車は、1列・2列と座席そのものもゆったり目に出来ています。飛行機がビジネスクラスでは行けないので、せめて電車くらいは贅沢をしたいって言うのも理由にありますけどね(笑)。おまけにユーロスターの1等は、ドリンクサービスもあるのです。小市民の私などからすると嬉しい限りです。刻々と変わりゆく景色を眺めながら、ゆったりと身体を包み込むような設計がされた座席に座り、イタリアならではのブラッド・オレンジジュースを飲みつつ、何故か塩気のあるお菓子が恋しくなるのでポテチを食べながら…な〜んて言う電車の旅なんて最高じゃ、あ〜りませんか!(笑)。

以上の点が、今回の私のこだわりです。人によっては、私のこだわりは我儘にも思えるかもしれませんが、自分の行動予定を考えてのことです。それに…国内と違って気軽にホイホイ行けるところではないし、言葉の違いなどもありますので、十分に考え抜いて決めたいと思いまして、この通りに見積りも貰い、申し込みをしたのです。

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