初ローマ、動き出す
ローマ初日の観光は、予定を入れ替えたため、ゆったりスタート。と言っても、7時には起きましたけどね。朝食をしっかり食べて、ちょっと落ち着いてから出られるようにしたのです。朝食を取りに1階へ降りていくと、すでに結構人が居ました。飲み物のオーダーを取りに来てくれたので、カプチーノを2つお願いしました。メニューはハムとかタマゴとか結構豊富でしっかりと食べました(と言うか、どちらかと言うと食べすぎた感じ)。嬉しいことにパンのところに栗のペーストが。栗好きな私は、このホテル滞在中は必ずこれを食べていました。

9時頃ホテルを出発の予定だったので、母は一旦部屋に戻ったのですが、私はテルミニ駅前のターミナルの下見に行って来ました。バス乗り場を探してウロウロするのは大変ですからね。母の負担をなるべく減らさなきゃって思ったからです。ホテルを出て、道路を1本変わっただけで、駅前の広場が見えました。とても大きなバスターミナルです。う〜ん、さすがローマでもメインの駅前だけあるって思いましたねぇ。ローマでは丸々3日間観光するので、地下鉄・バスの乗り放題の3日券(B...Biglietto  turistico  integrato  validita 3 giorni)11ユーロを買うことに決めていました。広場の方に渡ったら、目の前のバス停が偶然にも本日乗る予定のバス停でした。ラッキー。これであんまり探さなくて済むわ〜とホクホク。チケット売り場も探すのが面倒だったので、広場端っこの地下鉄入り口から入って、そこでチケットを購入して階段上がればすぐにバスに乗れるしってことで、ホテルに帰りました。駅前は物騒だと聞いていたのですが、まぁ、朝ですし、それほどでもないかなぁと思って見て来ました。ま、用心するに越したことは無いですけどね。もっと怪しいのが沢山ウロウロしているのかと・・・(^^;それにしても、思ったよりも寒い感じ。皮のマントを持ってきて良かったなぁと思いました。

部屋に戻って身支度をして、ホテル出発。ともかく物騒だと言うローマ。やや緊張して歩いていました。地下鉄へ行く階段を降りて行くと改札の脇にチケット売り場がありました。3日券を購入。失くさないように気をつけねば〜。かといって、用心して仕舞い込むと、どこやったっけ?ってなるし・・・。結局ジャケットのポケットに落ち着くことに(^^;地上に戻ると、ちょうどバス停にバスが停まっていました。ラッキーと思いつつ、道路を渡っている最中に非情にも出発。あ〜残念。次のバスは15分後だけど、間違いなくすぐ来るのかしら?なんせイタリアは時間にルーズだし…と思っていたら、数台後に本日乗る最初のバス、75番のバスが来ました。周りに居た人達は座るために次のバスを待っていたようで、さっさと乗り込んでいきました。私も母もすぐに乗り込んだのですが、外国のバスは日本のようにアナウンスも無いのでやや不安。そこで2年前のフィレンツェでやったようにバスの運転手さんに「○○のバス停に行きたいのだけど、出来たら教えて欲しいのですが・・・」とお願いしてみたところ「Certo!(=勿論)」って返って来ました。本当は運転席近くに座りたかったのですが、すでにそこは埋まっていたので、やや離れて座りました。(これが後で悲劇?を生むことに・・・)

警戒しすぎ
座った席の向かい側には、かなり年配の黒人の男性。持ち物はなんだか怪しげな(?)ビニールの袋だけ。どのくらい長く乗るのか判らないので、とりあえず座ったのですが、かなり用心していました。暫くするとバスは出発。初めてのローマだけに車窓からの眺めもワクワクして見ていました。すると向かい側に座っていたそのおじさんが「旅行者かね?」と聞いてきました。見りゃ〜判るでしょうに…って内心かなり用心しつつ返事をしたのですが、その後暫く沈黙。なんだかな〜って思っていたところ、コロッセオに近づいてきました。すると、「ほら!あれが有名なコロッセオだよ!大きいだろ〜」と、とっても自慢げに話始めたのです。それでもまだ用心していた私。きっと窓の外に神経を向けさせていて、なにか盗る人かもしれない」と物凄〜く警戒していました。すると、そんな気配を察したのか、自分の事を話し始めたのです。「チェニジアから20年前に仕事のためにイタリアへやって来たんだ。最初はイタリア語が話せなくて大変だった。コロッセオを初めて見たときは大きくて素晴しいと思ったんだ」って感じのことを話してくれました。話しながら「あれは○×だよ、これはナニナニだよ」とかって指を差して教えてくれたのです。でもまだかなり用心していましたけどね。

「どこで降りるのか?」と聞かれたので、そのくらいは話しても大丈夫かなぁ?と思ってバス停の名前を返事しておきました(これが後で役に立つことになるとは露にも思いませんでしたね)。そのうちに白いピラミッドが見えてきました。「あれがピラミデだよ。古代のだよ。」と言うことは、そろそろ目的のバス停が近いはず…よく判らないけど。まぁ、教えてもらうようにお願いしたし、請け負ってくれたので大丈夫だと思っていたのですが…甘かった…。そのおじさんがなんやら言っていたのですが(後で思えば「降りはずの場所じゃないかね?」と言っていたらしい)私はちょっと外を見ていて聞いていなかったのです。それにしても、そろそろじゃないのかなぁ?って思っていたら、そのおじさんの「次で降りないとマルモラータ通りは間もなく終わるぞ!」と言う言葉にハッとしてすぐに降りるとボタンを押しました。どうやら…運転手さんはすっかり忘れていたようでした。降りるときもケロッとして見ていましたからね。
なんとか同じ通りのうちに降りたので、間違えることなく引き返すことが出来ました。慌てていたので、そのおじさんには「Grazie mille!(=ありがとう)」しか言えなかったので、申し訳ないような気持ちでした。必要以上に警戒しきっていましたしねぇ。彼は自分が若い頃苦労したから、言葉の判らない観光客である私達が困ることの無いようにと気遣ってくれたんですよね。今思うと、ホントに申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、こういう人は少ないと思います。みんながみんな、このおじさんのようだったら、いいのですけれどね。だから私も駅などで勝手が判らずウロウロしている外国人旅行者を見かけると、拙い英語ながらなるべくお手伝いをするように心がけています。

それぞれの憧れの場所
バスを降りた辺りは、本当ならばその日の最初の目的地の「マルタ騎士団長の館」の下辺りになります。ところが、この館は丘の上にあって、地図を見る限りではかなり手前の道路からでないと登っていけないようなところなのです。バス停から歩道へと渡っている最中に遠くのピラミデが朝日に輝いているのが見える場所がありました。しかし、残念ながらそこは車道の真ん中。写真は諦めました(^^;

少しでもわき道があったら、そこから丘の上に繋がる道かもしれない、上手くいけばショートカットして行けるかも?と思い、前の方を歩いていた人がわき道に逸れたりすると、後を付いて行ってみたりもしたのですが、どれも行き止まり。建物の中へと続く道ばかりでした。と言うことで、さすがに諦めて持って来ていた地図のバス停の場所まで戻っていきました。この地図は、あらかじめ日本でバスなどのルートを調べていたときに、出てきたもので、印刷して持ってきていました。前述しましたが、ATACのサイトはかなり便利で、バスや電車の路線だけではなく、徒歩の場合のルートも地図で表示されるのです。ガイドブックでは表示されない部分まで詳しく載っているので、かなり重宝しました。

そして、アバンティーノの丘へ向かう道を登り始めました。舗装はされているので、歩きにくいって事はないのですが、かなりの坂道。ハッキリ言って日頃運動不足気味の我々親子。フ〜フ〜言いつつ登っていきました。周りはと言うと、普通の住居のみ。これを毎日上り下りする人は尊敬しちゃいますね(笑)まぁ、殆どは車で上り下りするのでしょうけれど。

「マルタ騎士団長の館」は、メジャーな観光地ではありませんので、そこに向かう人も殆ど居ません。その為、案内表示も無く、歩きながらやや不安でした。平坦な道ならば「あ!間違えた!」で簡単に済むのですけれど、ともかく「丘」ですから〜!目的地に着くまでに見かけた人たちは4〜5人でした。そのうちの3〜4人は、はるか先で車から降りて家に入ろうとしている人たちだけでした。そんな訳ですから、人が通らないから道も聞けず、この道が正しいかどうか確認も出来ないけれど、「まぁ、地図が間違いなければ大丈夫じゃない?」と開き直って歩いていきました。

なんで今回こんな辺鄙な場所をわざわざ見に行ったのかと言うと…それは1枚の写真に感動したからなのです。私が習っているイタリア語のクラスメートのH美さんが、夏にローマに行った際に、ここを訪れたとの事で、写真を見せてくれたのです。それは…信仰心というものに裏打ちされた趣向を凝らした素晴しさが凝縮されたものがそこにはありました。是非、ローマに行くならばここを訪れてみたいとその時から思っていました。でも、話を聞くと、そこは辺鄙な場所にあり、訪れる人の殆どは車でやって来て、ささっと見たらまた車で帰っていってしまうとのこと。それでも、私にはそこは一見の価値はあると思えたのです。
丘を登りきると暫く平坦な道が続いていましたが、その先にぱっと開けた広場らしきところがありました。その広場には2人の観光客が居て、周りの写真を写していました。多分、ここがその「マルタ騎士団長の館」の前の広場に違いないと思い、近づいていくと、そのうちに1人が閉じられている扉の真ん中辺を覗き込み、更にカメラを扉に押し付けていました。

ついに、その憧れの扉の前に立ったのです

その扉は、思っていたよりも質素で、どっしりとした造りでした。ワクワクしながら、鍵穴を覗くと…アーチ型に作られた木の向こうに、サン・ピエトロ大聖堂のドームが見えました。なんて素晴しい眺めなんでしょう!続いて覗き込んだ母も大層感激していました。H美さんは「鍵穴が小さいので、デジカメでは良く写らず、携帯でならキレイに写せた」との事だったのですが、持って来ていたカメラのレンズを鍵穴に近づけて、液晶画面で確認してみたら、バッチリ!すぐにシャッターを切りました。最初はそのままの倍率で写したのですが、望遠にしてみてもバッチリ!あの憧れの眺めを自分の目で見ることが出来、更に写真までもバッチリ写せたなんて!もう感激でした。そして、フト思ったのですが、この鍵穴から覗き込む考えって、なんとなく東大寺の大仏殿の観相窓から大仏様の顔が見えるのと同じような発想じゃないかと…。ちなみに今回の旅行記の壁紙はこの写真を加工したものです(その辺のお話はコチラ)。

これが「鍵穴」です。 鍵穴から見た景色 更にアップで


満足したので、次の目的地の「真実の口」へ向かうことに…。一応、地図では館前の道をどんどん下っていくと、チルコロ・マッシモのところに出て、間もなく「真実の口」のあるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会へと行けるはず。でも、念のため確認で、館前に止っていたパトカーに肘を乗せて立っていたカラビニエーリ(警官)に「この道はサンタ・マリア・イン・コスメディン教会へ行きますか?」と聞いてみたところ「Certo(もちろん)!」と返ってきたので一安心。いい加減なイタリア人が多いけど、とりあえず警察官だし〜ってことで信じてみました(笑)

道を歩きながら、気ままな2人連れなので、ちょっと開けて眺めの良い公園があったので入ってみたり、道中も楽しみました。勿論、誰も居ないところは物騒ですから、他にも観光客らしい人がいるところにしましたけどね。でも、人が居れば居たで、逆に心配な感じもしないでもないけれど、スペインほど物騒じゃないだろ〜と思ったりもしていました。

坂を下りきると目の前がバーンっと開けました。チルコ・マッシモです。古代の競技場だそうだけれど、ともかくだだっ広い(笑)のです。この競技場跡地は、今はジョガーや犬の散歩にはちょうどいいらしく、沢山の人がいました。チルコ・マッシモの向こうには、かつての高級住宅地のフォロ・ロマーノのあるパラティーノの丘があって、車さえなければ、古代に思いを馳せるにはちょうどいい場所かもしれません。

さて、肝心のサンタ・マリア・イン・コスメディン教会ですが、地図ではイマイチ判らず…。どうせ観光バスがバンバン止っているから見つけるのは簡単だろうと思っていたのですが、11月と言うことでトップシーズンでもないので当てが外れ…。ともかくこの辺だろうと辺りをつけて歩いてみたら…ありました!大きな鐘楼がある教会で荘厳とか華麗さはないけれど、落ち着いたレンガ色の美しい建物でした。

「真実の口」は教会の内部ではなく、外側(でいいのかな?)の鉄格子を入ったところの軒下にありました。思っていたよりも列は長くなく…間もなく順番が回って来ました。最初に母を行かせて写真を撮り、今回も同行させたパンダのぬいぐるみを口の中に押し込んでもらってそれも写し…、今度は私がそばに行って写してもらうというパターンでした。どのグループもそんな感じで、みんなが順番に入れ替わって写真を撮り、その後次のグループへ交代という感じでした。

母は、オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」の影響で、憧れがあったらしくとっても嬉しそうな顔をして写真に納まっていました。まぁ、だからあの大怪我の後、無理をしないで養生に努めて、なんとかローマまでやって来たんでしょうね(笑)

サンタ・マリア・コスメディン教会 真実の口前に並ぶ列 真実の口


母の写した私の画像を確かめたら…ピンボケ。上手く写っていたら年賀状に使おうと思っていたのでガッカリ。別にこの次も時間が決まっている訳ではないので、(元に並びなおすために)一旦教会の内部に入ってから、また並びなおすことにしました。デジカメはこういうところが便利でいいですよね!

と言うことで、教会内部へ。内部は、物凄く質素な感じで、「質実剛健」そのものって感じでした。絵画や壁画がバーン!って教会ばかり見て来ていたので、これはこれで新鮮で良かったです。そうそう、床のモザイクもモダンで素敵でした。教会って上だけじゃなくて、足元も気をつけて見ると、それぞれ味があっていいものですよ。

憧れの場所で Andy母 教会の祭壇 床のモザイク模様


再度並びなおしたのですが、2回目も列は長くなくてすぐに写せましたが…何度写してもピンボケ。こりゃ〜何回やってもダメだと思い、「もういいから」と言って、諦めて出ることにしました。以前は写真をキレイに写せるのが自慢だった母なのに、「年なのかなぁ?」とその時は思ったのですが、後で母のデジカメを見てみると他の写真はキチンとピントが合っていたので、年のせいでもなかったようです。でも、次回からは旅行1ヶ月前から、どうでもよいスナップ写真を撮る練習だけはさせておこうと思いましたね。私が入っている写真だけがボケているのですから(このピンボケは、ヴァチカンの聖ペテロ像の前でもやられてかなりガッカリ)。ともかく出来ないものはガタガタ言っても出来ないのだから諦めるしかないですからね。いつか…気が向いたらここはリベンジかなぁ?私の中ではそんなに何度も行くところではないので、あくまでも気が向いたらですけどね。

プロローグ その5へ TOP ページへ ローマ2日目 その2へ
晩秋のイタリア もくじへ 晩秋のイタリア 日程表へ 晩秋のイタリア 写真館へ
旅行記のもくじ へ サイトマップ へ