2月3日 ヴェネツィア  その1

前の晩と同じく何度も目が覚める。寝ているようで寝ていない感じがするけれど、仕方ない。3日は夜中まで…になるけれど、メインイベントさえ終われば、後は気が楽。今回は風邪が完全に治ってないので、なるべく身体を休めることを考えて早朝のお出かけは無しにした。ゆっくりと起き出して朝食を取り、出かけるまでゆっくりと…。ということで珍しくダラダラ過ごした感じ(笑)身支度を済ませて食堂へ。
フルーツタルト見るとフルーツタルトがあった。最後に食べるにしても、まずはそれを『確保』。なんせ後回しにしたために、ベローナでは食べはぐったのだから(笑)後はパンなど。昼食が何時になるか判らないので、割としっかり目に食べた。
一旦部屋に戻り、10時15分にロビーへ。Mさん親子は朝のサン・マルコ広場を散歩してきたそうだ。すでに数組の仮装した人たちがいて写真を撮ってきたそうだ。

衣装を受け取る
アトリエに行くと配達に向かうスタッフもいた。私達のドレスはもう袋に入っていたが、最後に名前と衣装の明細と金額・貸出しと返却の時間を書いたカルテのような書類と突き合わせ、袋の中身に「モレ」がないかを複数のスタッフが声を出してチェックしていかないと受け取ることが出来ない。フム、恐ろしく手間のかかる確認だけど、それだけ慎重にならざるを得ないのだろう。何かが不足したら「完全なる仮装」は出来ないのだから。
イニシャル HUさんが私の名前を告げると早速ファイルから探し出している。アルファベット順にファイルしてあるのだけれど、見つからない。私の名字はイタリアでは発音しない「H(アッカ)」から始まるので「アッカ、アッカ」と連呼した。パラパラと何度か行き来してやっと見つかった。既に入っている袋の中身をスタッフみんなで再確認。読み上げて確認してチェックを我々3人分繰り返した後、やっと受け取った。

シルエット 女性衣装の袋を受け取ると、内心は走ってホテルに戻りたいくらいだった(笑)。そのくらいカーニバル気分に浸りたかった。何がそんなに惹きつけるのか?不思議に思う人もいると思う。自分でもよく判らないのだけれど、1年に1度の限られた期間だけのお祭りで、非日常的な体験が出来、変身願望(お姫様気分になれる?)が叶えられ中世への憧れを満たし、大人の遊びであること…等がそれらの理由として当てはまるだろうけれど、そうとも言い切れない部分もある

仮装をし、仮面を着けると、そこにはいつもの自分とはまるっきり別の人物が存在する。人によっては自分の内面を解放する人もいるかもしれない。心の奥底にある、誰もが持っていると思われるヒーロー、ヒロインになるという憧れを満たすことも出来る。日本でも同じような意味を阿波踊りの時に言うけれど「同じアホなら踊らにゃ、損々!」。あれと似通っている部分もあるかと思う。私の場合、どれだろう?どれも当てはまる部分もあるし、そうでない部分もある。ただ言えるのはあの高揚感は体験した人でないと判らないものであることは確かシルエット 男性

ホテルまでの帰り道、ハッキリ言ってよく覚えてない。早く戻って着替えて、サン・マルコ広場へ繰り出し、いろんな人と出会ってみたい、いろんな写真を撮ってみたい、という気持ちでいっぱいだったのだと思う。この、常にアチコチにアンテナを張り巡らせている(一応本人はそのつもり)私が周りの景色が目に入ってなかったのだから(苦笑)

いよいよ着付へ…
部屋に戻ると早速着替えに取りかかった。Mさん親子はまず2人で着付をしあってもらって、その後Uさんが手伝いに行くことに…。なんせ背中の部分を紐で締めつけるので私1人では着替えられないのだ。
着替え始める前にお化粧。男性にはよく判らないだろうけれど、ファンデーションと言うものを『普段は』顔に塗っている。でも、マスケラ(仮面)を一旦付けると化粧崩れしたとしてもなかなか直している暇はない。更にドレス用のバッグは大層小さいので、あまり沢山のものを入れて持ち歩くことは出来ないのだ。小さめのお財布と、ハンカチ・ティッシュ、口紅くらい。
2005年に使用した仮面また、仮面は紙で出来ているので、ファンデーションがくっついてしまったら拭くことも出来ない。それに、仮面で顔の半分以上を覆うので、ファンデーションを塗っても塗らなくても大して変わりは無いと思うので、ファンデーションはパス。但し、マスケラから見える目はしっかりとメイクが必要。アイシャドーも普段より遙かに濃いめに塗る。濃いめに塗っても全然派手には感じない。ドレスに負けないようにしなくては。後は目力を強調するためにマスカラ。睫毛を長くしっかりと見せねば!そうでなくても日本人は睫毛が短いのだから(^^;。…と、文字にすると大層化粧をしているように感じるかもしれないけれど、実際は大してしていない。時間にして2〜3分くらいかしら?元々普段からあまり化粧に時間はかけない方だし。

口紅お化粧は全て着付が終わるまでは完了させない。と言うのは、どうしても口紅などをドレスを着ながらつけてしまう可能性があるから。まぁ、これは人それぞれの感じ方次第だけれど、私としては落ちにくい口紅などで汚して返したくは無い。なるべくキレイな状態でお店に返却したいし、汚れを見つけたときのスタッフの落胆はどんなだろうかと想像してしまうのだ。なんせ、簡単に洗うことの出来ないものばかりだし。それに一応返却時、酷い汚れや破損が無いかチェックされる程度によってはペナルティを支払わなくてはならないこともある。

その後、ドレスを紙袋から出して初めて判ったのだけれど、今回の私のドレスにはバッグがお揃いで付いてなかった。念のため、去年も家から持ってきて昼間活躍したシルバーフォックスの毛皮のポシェットがここで大いに活躍することになった。パスポートなどの貴重品は予めセーフティ・ボックスに仕舞っておいたので前述のものを入れる。持ち物の準備も完了。

変身の過程
さて、いよいよ、ドレスの着付けにとりかかる。
まずは、この日のために用意したドレス用の下着、防寒用のタイツ(ドレスは足が結構寒い)、骨入りのペチコートの順に着ていく。ペチコートは床に置いてそのまま引き上げるのが一番楽な着方。引き上げたら、長さを加減しながら紐でしっかりと締める。その後、しゃがみ込んでUさんにドレスのスカート部分を被せてもらう。このスカートの部分も紐で調節なので、ずり落ちないようにしっかりと結ぶ。余った紐は適当にスカートの中へ突っ込んで外には出ないようにしてごまかす(?)。

黄色のドレスのイラスト上半身分は袖に腕を通して背中部分の紐を締めて貰う。ファスナーじゃないのである程度調節が効く。紐を締めてもらっている感覚は、まるで着物を着付けてもらっている感じにも似ている気がした。帯を結んでもらうような感覚。同じく締めつけて余った分の紐は適当に中に突っ込んでもらう。この間、約5分くらい。え?もう終わり?って感じでUさんと2人で笑いあったくらい呆気なかった。去年で慣れた?せいもあるかもしれない(笑)。ドレス用にパンプスも持って行った。いくら革製で楽とは言え、ウォーキングシューズじゃぁ、見えないように気を使うのも大変だし。これは去年学んだことでもある。

最後にマスケラ(仮面)。しっかりときつめに頭の後ろで結んでもらった。これでドレスの着付はおしまい。最後の仕上げに愛用のゲランのトワレ「夜間飛行」を多めにつけ、口紅もキチンと塗って完了。
香水ポシェットを斜め掛にして、マントも羽織ったので、隣のMさん親子の部屋に手伝いに行ってもらった。私はUさんに渡して写してもらう用のコンパクトなデジカメと、自分で他の人を写すために10倍ズームのやや大きめのデジカメを準備した。万が一の時の予備のバッテリーもUさんに渡す巾着の中に入れた。

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