2月14日 ヴェネツィア その2


【ドゥカーレ宮殿の中へ】
いよいよ、建物の中へ入る。階段の下から写真を1枚撮ってカメラをしまう。さっき入っていった団体は、すでにずーっと先の方へ行っているらしい。人影も見当たらない。

ドゥカーレ宮殿中庭 黄金階段
ドゥカーレ宮殿中庭 黄金階段

入るとすぐに係員の人が監視していた。一歩踏み込むと、そこは壁から天井から絵画で埋め尽くされている。部屋の入り口や角には、絵の見取り図があって番号がふってある。その番号のところを見れば、説明書きがある。だから、自分の気に入った絵があれば、その見取り図を見て、いつの時代か、何を描いたものかは知ることが出来た。

肖像画、宗教画が多いが、ここヴェネツィアレパントの海戦で有名な地でもある。トルコ軍を初めて十字軍が破って凱旋したところでもある。スペインのフェリペ2世の異母弟、ドン・ファン・デ・アウストリアが奇跡の勝利を収めた海戦でもあった。悲劇的なことにその英雄はのちにその才能を恐れた兄によって暗殺されてしまったけれども。。このへんのことは、日本に帰ってから塩野七生さんの本を読んで勉強しなおさなきゃって思った。以前、塩野さんのこの辺りについての本を読もうとして、立ち読みして難しく感じたので挫折してしまった。それから何年も経っているのだから、大丈夫だろうと思うし。

ともかく、いろんな絵があって、感動のしっ放し涙が出てくるほど美しい。周りには人は居なくて大きな部屋に私1人で鑑賞できた。脇の小部屋も覗き込んできた。せっかく来たのだから端折るのは勿体ない。少し行くと、団体に追いついてしまった。1人で入っていくと、ジロジロ見られたけれど、すぐにその団体は居なくなった。やっぱり自分のペースで見れるのが嬉しい。団体客が入らない部屋に大きなレパントの海戦の絵があった。ガレー船があって、旗が翻るところの絵だったのですぐに判った。説明にもそのように書いてあった。

鎧の挿絵また、神話の絵も多かった。いろんな神々の絵。宗教画。武具の部屋もあった。鎧兜、剣、楯といずれも見事である。実用的であり、なおかつ芸術的であって。途中、係員の人がうたた寝をしていた。私の足音にハッとして起きてしまったけれど(笑)そして、ついにティントレットの「天国」のある部屋に来た。あまりの大作に驚いてしまった。暫く呆然として見ていた。私がその部屋に入って他の絵も含めて見ている間に2つの団体客が入ってきて、出て行った。そんなに駆け足では何か感じることが出来るのだろうか?

【宮殿のもう一つの顔】
その後、矢印の通りに進んでいくと、絵画は無くなっていった。代わりに、宮殿の隠された一部、影の部分を見ることが出来た。中には多分牢獄だろうと思える場所もあった。また、兵士たちがここに居たのかも?と思えるようなところも。中世の時代は、陰謀が渦巻く世界で、暗殺は日常茶飯事だったろうし。どんどん進んでいくと通路はどんどん狭くなっていく

このまま私は出られるのだろうか?と一瞬の不安に駆られる。周りには誰1人として人の気配はない。こんなところに閉じ込められたら、本当に気が狂ってくるのも判る気がする。自分は取り残されてしまって、このまま忘れ去られてしまうのではないかという孤独と恐怖感。大げさかもしれないけれど、そんな気分を肌で感じてきた

しばらく影の部分の宮殿を歩いていたら、やっと出口らしき方向が見えてきた。悦び勇んで行くと、お決まりの本や絵はがきや資料を売っているスペースだった。今頃、やっと店を開き始めたって感じ。じゃぁ、団体客はどこから出たのだろう?って一瞬思ったけど、多分最初の階段をそのまま下りて、脇の出口から出たに違いない。矢印の通りに進むとその先はカフェ。出口と書いてあったので、そのまま店の中を突っ切る。って言うか、突っ切るしか出る方法は無い感じ。やっと中庭に戻ってきたので、脇の出口からサン・マルコ広場に出た。

【鐘楼に登る】
出たら、そこには大聖堂へ入るための団体客の列がズラリ。これに並んでいたら、何時になるか判ったものじゃない。これは、明日の朝でも見れるからとパスをして、鐘楼へ登るエレベーターの列に並ぶ。これならすぐに、はけるだろうと思って。で、これで正解。すぐに順番が回ってきた。エレベーターには7人ずつしか乗せない。私の目の前で一旦切られる。あと1人くらいは大丈夫なくらいスカスカだったのに。残念。後ろの日本人の2人組と一緒と思われたのかも?やっとエレベーターが下りてきたので、乗り込む。乗り込み口と出口が別なので、乗り換えもすんなり。かなり機能的にできている。こう言う面では合理的にできているのでヴェネツィア的なのかしら?とも思ったりした。まもなく上に着く。

鐘楼 鐘楼の上から 鐘楼の上からサルーテ教会方面
鐘楼(カンパニーレ) 鐘楼の上から 鐘楼の上からサルーテ教会方面

景色が一望出来る。ここに登って「あぁ、ヴェネツィアは本当に島なんだなぁ」って実感する。統一された屋根の向こう、それが途切れた向こうには、海が見える。建物に隠されて、水路は見えない。ここから見る限り、水路が張り巡らされているとは思えない。少し、日差しが出てきた。四方を見て回り、下りのエレベーターに乗るための列に並ぶ。こんな上なのに、お土産も売っている。さすが、商魂たくましいヴェネツィアの商人(笑)

サン・ジョルジョ・マッジョーレ島 鐘楼の鐘
サン・ジョルジョ・マッジョーレ島 鐘楼の鐘

頭上には大きな鐘があった。これが鳴ったら凄いだろうな?鳴って欲しい反面、鳴らないで欲しいという複雑な感情。エレベーターを下りたら10時半少し前だった。もし、衣装が約束の時間に届いているならば、Uさんをちょっと待たせたことになる。早足でホテルへ戻る。もう勝手知ったる道なので迷うことはない。

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