2月14日 ヴェネツィア その8


【救世主登場】

そのうち、道化の格好をした人が来た。彼は身に着けていた小さな箒で私のマントをふざけて祓っている。「イタリアーノ?」って聞かれたので、「日本人!」って答えたら凄くビックリしていた。なんでそう言われるのだろう?普通の日本人よりやや明るい目の色のせい?確かにイタリア人の中には私と同じような色の瞳の人が多いけど…。あとで判ったけど、彼も私と同じような色の瞳だったし、同じような瞳をしているから日本人じゃないかと思ったと言われた。

私がデジカメを持っているのが判ったら、「道化とお姫様」って感じでポーズを取ってくれたので写真を撮ってもらった。そうそれはまるでこのパーティの招待状と同じ感じ。ちょっとお姫様気分を味わっちゃったその後、彼はマスクを外してもう1枚。鼻の長い、そう、ちょうど日本の天狗みたいな長い鼻の仮面。ヴェネツィアのみで見られる仮面だって言っていた。あと、なんだって言っていたかなぁ?忘れちゃった。それに早口だったし…。

ポーズを取って カードの写真
ポーズを取って・・・ 同じような図柄でしょ?

私が1人で来ているのが判ったので、一緒に居てくれるって言ってくれた。名前は確か…リカルドって言っていた(ような?親切に相手してくれていたのに私も薄情な…反省…)英語もゆっくりと話してくれるので、判りやすいし。もっとも、彼も英語は母国語ではないから、たまに言葉に詰っている。私と一緒じゃん(笑)

仮装をした人達と2リカルドもそのまま、そこに居ると他の人の相手をしないから、サボっていることになるので、ちょっと広間から出ることにしたらしい。階段の踊り場から外の夜のヴェネツィアの景色を見せてくれたり色々と気を使ってくれた。他の人達のところにも連れていってくれて写真を撮ってくれたりもして、有り難かった。それにしても、建物は昔の宮殿だから、ホントに内装が凄い。お姫様ってこんなところに住んでいたのねって思った。

昔はそんなに暑くなかったのかもしれないけど、今夜は人が沢山集まっていて、熱気が凄い。暑くなってきた。ジーパンなんて履いてこなければ良かった。昼間は外を歩くから寒いからってことで履いていたけど、ついうっかりしてそのまま履いてきちゃったのだ。まさか脱ぐわけにはいかないし…階段の登り降りも裾からジーパンが見えないようにって願いつつしていたし。私が「暑い」って言ったら、「じゃぁ、こっちへおいで、外へ行こう」と言われてついていくと、入り口から一旦出て、建物に添った桟橋の上に連れていってくれた。ここならかなり気持ちいい。この時期のヴェネツィアは天気があまり良くなく、寒いことも多いのだけれど、私の行っていた間は、本当に天候に恵まれたので、暖かかった。

夜、遅いのに結構水上バスも通っているし、水上タクシーも動いている。人もかなり乗っているので、夜遅いって感じが全くしない。水上バスの人達も、仮装した私達2人が外の桟橋にいるので、手を振っている人もいた。しゃべりっぱなしって訳じゃないから大分楽。会話の内容はおおよそでしか記憶にない。英語でやり取りしていたけど、向こうがどういう意味のことを言ったかは覚えているけど…。しゃべっていた場所も外の桟橋だったり、館の中に入って部屋の隅だったりといろいろ。なるべくサボっているのが見られないようにこっちも気を使ったけど、多分、バレていたと思う。まぁ、お客の相手をしていたんだから大丈夫でしょ。私も1人で困っていたし、色々と話が出来て楽しかった。

【カーニバルが終わるまでいて】
「いつここに来て、いつまでいるの?」ってお決まりのことを聞かれたので、「昨日、フィレンツェからヴェネツィアに来た」と話したらうなずいていた。「このドレスは自分のなの?」って聞くから「お店で借りたの。昨日アトリエに行ったのよ」って言ったけど。そんなぁ〜こんなに豪華なドレス、自分用に持てるほどの身分じゃないって(笑)「何時頃来たの?」って言うから「夕方、5時半くらい」って答えたら「自分も夕方居たけど見なかった」って言われちゃって。。ん〜、私も、確かに彼を見た記憶はないなぁ。トイレ入っている間にでも顔出したのかな?記憶にあるのは、オカマの人とゲイっぽい男の人、それと小柄な若いお姉ちゃん、パーティのことを言ってくれた女の人と他に女性2名かな?後はドレスしか記憶にないし(笑)

「いつ帰るの?」って聞かれたので「明日帰るの。ヴェネツィアからベローナに行って、ベローナから飛行機でドイツフランクフルトへ行ってから日本へ帰るの」って答えたら「なんで帰るの?」って。なんでって言われてもねぇ〜。そんなに休めないのよ〜。私も会社勤めだし…。「会社行かなきゃならないし。今、忙しいのよ、カーニバルのために短いお休みを取ったの。だから明日ヴェネツィアを離れるの」って言ったら「カーニバルが終わるまでいて。楽しいイベントもあるし、一緒に楽しもう」って勧められた。出来ることなら、そうしてみたいけど、無理だ〜。「ごめんなさい、出来ないの。明日帰るの」としか言えない私。あ〜ぁ、なんて無粋な返事。

【また来ます】
仮面その後、なんとなく「仮面取って」って言われた気がした。え?なんで?「顔見たい」って言われても、美人じゃないしねぇ。。「No」って言ったら「何故?」まぁ、ごくごく当たり前の質問。そしたら強攻手段に出てきた。向こうの方が背が高いから仕方ないし、マスクはリボンで結んであるだけなので、解かれちゃった。マスクをしているので、お化粧は目元しかしていないから、殆ど素顔と一緒。参ったなぁ。まぁ、いくらか暗やみだからいいかぁ。一応お世辞だろうけど「キレイだ」とは言ってくれたけど、まぁ、ここはそれを素直に受け取っておくことにした。

なんかぁ〜!こうやって思い出して文章にしていると、映画みたいだけど、その時はそんな風には思わなかったなぁ。(脚色はしていません。念のため)鈍感なのかな?私(苦笑)まぁ、確かに彼の方はさっきからマスクを外しているから、不公平と言えば不公平だけど。暫くしたらマスクを返してくれた。そして、後ろでキチンと結んでくれた。

他にも色々と話したけど、あんまり記憶に残ってない。。再び「カーニバルが終わるまでいて欲しい」って言われたけど、こればかりは譲れない。「ごめんなさい。出来ないの」と答えるだけ。ため息ついたので、諦めたみたい。「『I come back here again』って日本語でなんて言うの?」と聞かれたので「また来ます」って教えてあげた。「また来ます、また来ます」数回繰り返していたリカルド。「日本語で約束して欲しい」とのことだったので「また来ます」って言ったらとても喜んでいてくれた。

【出会った記念に…】
そのあと、「出会った記念に」ってことで、彼自身が身に付けていた黒いヴェネチアン・ガラスのビーズのブレスレットをプレゼントしてくれた。ちょっと古ぼけた感じだから、付け焼き刃で身に付けていたものではなくて、普段からしているものらしい。ドレスにも似合う色だし、普段付けるにも、私が普段しているグレーの時計と溶け込む色でなかなかいいかも。あ〜ぁ、なんで外国人ってこんなこと出来るんだろう?日本人じゃ絶対にあり得ないなぁ。ある意味、自分に酔うことが出来るのが外国人。それに対して、照れが先に出てしまって、身動き取れないのが日本人。酔える人同士が出会ってロマンスって始まるのかなぁ?こういうパーティの場所だから、紙もペンも手持ちがなかったので、残念ながら、彼の連絡先は知らない。フルネームも、住んでいるところも電話番号もお互いに交わすこともしなかった。だから縁遠いのだろうか?(苦笑)

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